「最近、体の調子がなんとなくおかしい」
「発熱やだるさが続いている」
「関節が腫れて痛むけれど、原因が分からない」

こんなふうに感じることはありませんか?

それが一時的なものなら心配いらないかもしれませんが、もしも長く続いていたり、症状が重なっていたりするなら、何らかの病気が隠れている可能性も考えられます。

特に膠原病という病気は、さまざまな症状が複雑に現れるため、「もしかして自分もそうなのでは?」と心配される方も少なくありません。

この記事では、膠原病がどんな病気なのか、どのような症状があるのか、そしてどの診療科を受診すればいいのかについて分かりやすく解説します。

原因が分からない症状でお悩みの方が、自分の体と向き合い、必要な一歩を踏み出せるようなお手伝いができれば幸いです。

膠原病ってどんな病気?

「膠原病という単語を耳にしたことはあるけど実際どんな病気かわからない」という方はたくさんおられると思います。

膠原病というのは一般的には、本来自分を守ってくれるはずの「免疫」が自分自身を攻撃してしまう「自己免疫性疾患」のことを指します。

免疫は全身を駆け巡るため、その症状は全身のあらゆる場所に起こりうるため、様々な症状が出ることがあります。

膠原病は病気の総称

「膠原病」という言葉は、実はひとつの病気を指すものではなく、いくつかの異なる疾患群を含む総称です。

膠原病は、免疫系が自分自身の体の組織を攻撃してしまう「自己免疫疾患」の一種であり、免疫系の異常によって引き起こされる炎症が全身に現れます。

そのため、膠原病に含まれる疾患は非常に多様で、症状も個々に異なります。

代表的な膠原病には以下のようなものがあります。

これらは膠原病の中でもよく見られる疾患で、それぞれの病気が引き起こす症状は異なりますが、いずれも免疫系が関与していることが共通しています。

詳細な症状や治療方法については、各リンクより病気の説明をしているページをご覧ください。

膠原病はさまざまな症状が複合的に現れるため、診断や治療は専門的な医師によるアプローチが重要です。疑わしい症状がある場合は、早期に専門医に相談することをお勧めします。

こんな症状がある人は注意!

  • 怪我したわけでもないのに関節が腫れていて痛い
  • 手がこわばって握れない
  • 全然熱が下がらない
  • 目や口が異常に乾く
  • 筋肉痛が治らない
  • 肩や太ももが痛くって力が入らないし立てない

これらは膠原病でみられる症状の一部です。

もちろんこれら全てが膠原病につながるわけではありませんが、これらの症状が長引く場合には一度ご相談いただければと思います。

どうしてこんな症状が出るの?膠原病の仕組み

膠原病と一口にいっても疾患ごとに体内で何がおこっているかは様々です。

今のところ病気がおこるメカニズムがはっきりとは解明された膠原病はありませんし原因もわかっていません。

遺伝的な要素が関係する場合もありますが、限定的です。基本的には「自分の免疫が自分を攻撃する」もしくは「免疫の暴走がおこる」ことによって引き起こされる炎症が症状を起こします。

何科を受診したらいいの?

症状によって、一般内科、整形外科、皮膚科、眼科などから膠原病の診断となり当院のような膠原病内科にご紹介いただくケースもありますし、最初から膠原病内科にご相談いただくケースもございます。
当院にご相談いただきましたら、膠原病を疑う状況でありましたら迅速に診断に向けて検査等させて頂きますし、他疾患が疑われる場合は適切な診療科への橋渡しをさせて頂きます。

膠原病の診断の流れについて

膠原病のそれぞれの疾患には、特徴的な症状があるので、まずは症状を伺って診察をさせていただいて膠原病の可能性があるのかどうか判断します。

その後血液検査、尿検査を行い膠原病らしい変化がないかどうか判断し進めていきます。

膠原病は症状と血液検査・尿検査を組み合わせて診断基準が構成されているものが多くあります。


また、関節症状が強くでる例えば関節リウマチなどでは関節エコー検査が非常に有益であることが多く、他の整形外科的な疾患との鑑別にはレントゲン検査を用います。

呼吸器症状が強くある場合には呼吸機能検査、胸部レントゲン検査などを行い異常がないかどうか判断します。

放置しないで!早期診断の重要性

例えば関節リウマチの診療において’Window of opportunity’という概念があります。これはリウマチを発症してから早期(数ヶ月以内)に治療を開始すれば、その分治療反応が良いことを指します。

他の膠原病においてもこのような概念が知られており、悪くなる前に治療を開始することが重要です。治療薬も日進月歩でどんどん効果が高い薬が登場してきていますので、一度ご相談頂ければと思います。

まとめ:自分の体を大切にするために

免疫という単語はよく耳にするとおもいますが、実際のところどういった免疫細胞が体の中に存在するのか、何が起こっているのか といったことはまだまだ解明されていないのが実際です。

その上で、その免疫が起こしている異常に対して何がどう悪いのかを把握し免疫を抑制・調整するお薬で治療するのが膠原病およびリウマチの診療です。

当院では膠原病診療の経験・知識が豊富な医師による専門的な治療を提供させて頂きます。
お困りの方は是非当院までご相談頂きたいと思います。

この記事の監修者:藤本潤

天王寺ふじもと膠原病リウマチクリニック院長

<資格>
医学博士/日本リウマチ学会 リウマチ専門医・指導医/日本リウマチ学会 登録ソノグラファー/日本内科学会 総合内科専門医・指導医/日本アレルギー学会 アレルギー専門医/難病指定医

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