はじめに

当院は大阪大学医学部附属病院呼吸器免疫内科の関連施設です。

また、以下の総合病院と連携しています。

必要なときは、これらの医療機関と連携して、最適な治療が受けられる体制を整えています。


「本当にこのクリニックで十分なのだろうか…」
「もっと大きな病院で診てもらったほうがいいのではないか…」

膠原病や関節リウマチの治療を受けている患者さんの中には、このような不安を抱えている方が少なくありません。

当院は、そうした患者さんの不安をしっかり解消できるよう、冒頭で紹介しました総合病院・大学病院と密に連携しています。

必要なときには、これらの高度医療機関とスムーズに連携・紹介し、患者さん一人ひとりにとって最適な治療を提供できる体制を整えています。

膠原病や関節リウマチは「難病」「専門性の高い病気」というイメージが強く、大きな手術や精密検査、高度な治療が必要になるのではと考えてしまいます。

そのため、クリニックでは設備や機器が足りないのではないかと思ってしまいがちです。

しかし実際には、専門クリニックと総合病院にはそれぞれの役割があり、きちんと連携することで、患者さんにとって最も効率的で安心な医療体制が実現できます。

この記事では、この記事では次の3つを分かりやすく解説していきます。

✅ 総合病院とクリニックの役割の違い
✅ 専門クリニックと連携するメリット
✅ 当院だからこそ提供できる強み

膠原病・関節リウマチ治療における専門クリニックの役割

膠原病や関節リウマチは、長期にわたって治療を続ける必要のある疾患です。

そのため、専門クリニックには患者さんが安心して通院を続けられるよう、重要な役割があります。

膠原病・関節リウマチの外来診療と生活サポート

専門クリニックでは、以下のような役割を担っています。

・日常診察・薬物治療の継続

生物学的製剤やJAK阻害薬など、最新の治療薬を継続的に管理・投与します。

・副作用管理・生活指導

薬の副作用を早期に察知し、適切に対処。生活習慣やセルフケアの指導も行います。

・患者さんの不調に寄り添う対応

痛みや体調の変化など、日々の不安や悩みに寄り添い、こまめに調整・相談対応が可能です。

・必要時の迅速な紹介・連携

重症化の兆候が見られた場合は、連携先の総合病院にすぐに紹介し、検査や入院治療につなげます。

専門クリニックならではの強み

膠原病や関節リウマチの治療は、患者さんの生活全体に影響を及ぼします。

専門クリニックでは、病気の治療だけでなく「患者さんの生活に寄り添った医療」が大切にされます。

・待ち時間が短く、通いやすい

総合病院と比べて、クリニックでは診察やお会計の待ち時間が圧倒的に短いため、病院受診することで発生する心身への負担が少なく、定期通院がしやすい。

・一人ひとりの状況に合わせた柔軟な対応

「今日は調子が悪い」「副作用が気になる」といった声に、細やかに対応できます。

・ずっと同じ医師が診療にあたれる

・生活・仕事・趣味との両立を支援

患者さんのライフスタイルを考慮し、無理なく治療を続ける方法を一緒に考えます。

このように、専門クリニックは患者さんが長く治療を続けられるための「生活の伴走者」として、重要な役割を担っているのです。

膠原病・関節リウマチ治療における総合病院の役割

膠原病や関節リウマチの治療においては、専門クリニックだけでは対応できない場面もあります。

特に病状が重い方や他の合併症が疑われる場合、総合病院や大学病院といった大きな病院の力が必要です。

総合病院の役割:高度治療・精密検査・多診療科連携

総合病院は、次のような高度な医療を提供します。

・高度医療機器による精密検査

CT、MRI、PET、エコーなど、精密かつ高度な検査を短期間に同時並行的に行い迅速な全身状態の評価を行います。

・入院管理が必要な場合

肺、腎障害、血液異常など、膠原病の症状が全身的に強くでて、安静が必要であったり治療介入が急がれるようなケースでは入院で集中的に管理します。また肺炎などの感染症を起こした場合にも入院で治療されるケースがあります。

・多診療科の連携治療

リウマチ・膠原病科だけでなく、呼吸器内科、腎臓内科、循環器内科、皮膚科、眼科など他の診療科と連携し、全身管理を行います。

最新の治療法や臨床試験の提供

タイミングなどにもよりますが、新しい治療法や治験、研究段階の治療にアクセスできるのも、大学病院ならではの特徴です。

総合病院だけに頼ることの課題

ただし、総合病院は患者様の数が非常に多く、以下のような課題もあります。

・診察の予約が取りにくい、待ち時間が非常に長い
・一人ひとりにかけられる診察時間が限られる
・日常の細かな相談には対応が難しい
・人事異動が頻繁にあるため同じ主治医にずっと診てもらえない。

そのため、患者さんの日常的な治療や生活サポートは専門クリニックで行い、必要なときに総合病院の高度医療を組み合わせる体制が、患者さんにとって最も効率的で安心な治療スタイルと考えます。

膠原病・関節リウマチ治療で専門クリニックと大病院が連携するメリット

膠原病・関節リウマチの治療は、専門クリニックと総合病院が役割を分担し、連携することで、患者さんにとってより安心で効率的な体制が整います。

スムーズな紹介・連携による安心感

当院は、大阪大学医学部附属病院、日本生命病院、大阪けいさつ病院、大阪急性期・総合医療センター、大阪医療センター、大阪赤十字病院など、地域の主要な総合病院・大学病院と連携しています。

これにより、以下が実現できます。

  • 重症化が疑われた場合に、迅速に専門外来や検査を依頼できる
  • 精密検査や高度治療が必要な場合に、スムーズに紹介状を発行
  • 紹介後も診療情報を共有し、治療後はクリニックで継続的に管理できる

患者さんにとって「必要なときはちゃんと高度医療につなげてもらえる」という安心感を持って頂けます。

高度医療と外来診療の役割分担による効率的な治療

高度医療と日常診療を分担することで、以下が実現できます。

  • 総合病院でしかできない検査・治療は任せる
  • 専門クリニックで外来フォローや生活管理を行う

このように二者が協力することで、患者さんは「必要なときに必要な医療を受けられる」体制を実現できます。

また、クリニックでの治療継続は、普段の生活やお仕事を無理なく続けられる大きなメリットがあります。

通院負担を軽減し、治療を続けやすい体制

長期にわたる膠原病・関節リウマチ治療では、患者さんの負担をいかに減らすかが大切です。

  • 総合病院での待ち時間や移動負担を減らせる
  • 通いやすい地域のクリニックで相談できる
  • 定期フォローや薬の調整を無理なく続けられる
  • ずっと同じ医師に相談できる

この体制があってこそ、患者さんは治療を中断せず、安定した状態を保つことができます。

総合病院ではなくクリニックに通院することに不安を感じられる患者様へ――膠原病専門クリニックからのメッセージ

「クリニックで膠原病リウマチの治療をすることに不安がある…」
「大きな病院じゃないと治らないのではないか…」

膠原病や関節リウマチの患者さんが抱えるそんな不安は、私たちが日々よく耳にする声です。

当院は、大阪の膠原病リウマチ専門クリニックとして、患者様が無理なく治療を続けられるよう、日常の診療・管理を行っています。

そして、必要なときにはすぐに総合病院と連携し、最適な検査・治療が受けられる体制を整えています。

大切なのは「どこで治療を受けるか」を一人で悩み続けることではありません。

「まずは相談してみる」ことから始めましょう。どのような不安をお持ちなのか聞かせてください。

私たちは、患者さん一人ひとりの治療の伴走者として、安心できる医療を一緒に考え、支えていきます。

この記事の監修者:藤本潤

天王寺ふじもと膠原病リウマチクリニック院長

<資格>
医学博士/日本リウマチ学会 リウマチ専門医・指導医/日本リウマチ学会 登録ソノグラファー/日本内科学会 総合内科専門医・指導医/日本アレルギー学会 アレルギー専門医/難病指定医

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